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参考サイト・資料の紹介


ここでは、科学者むけに描き方・デザインの方法を解説した本やサイトを紹介します。

サイエンスイラスト講座の資料

  • 「How to Draw Scientific Illustration:オブザベーショナル・ドローイングの基礎 編」
    奈良島知行氏が開催するサイエンティフィック・イラストレーション講座の内容を紹介するテキスト。 講座の実際の参加者が、ヒトの頭蓋骨の正面図を描いた過程がまとめられている。 Photoshop使い方などは詳しくないので、これだけ見て描けるようになるのは難しいかもしれないが、 基礎的なサイエンティフィック・イラストレーション制作の流れは理解できる。

    こちら (本サイト内)からダウンロードできます(PDF 約1.8MB)

    執筆:有賀雅奈、 イラスト:田代学、有賀雅奈、本文デザイン:株式会社グエル、 協力:奈良島知行、東北大学大学院医学系研究科、 東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター、 仙台市、仙台クリエイティブ・クラスター・コンソーシアム、 仙台ビジュアルアート×サイエンス パートナーシップ、 SciMeCLab

科学者向けデザイン一般

  • 「伝わるデザイン 研究発表のユニバーサルデザイン」
    進化生態学が専門の管理人が運営する科学者向けのデザイン解説WEBサイ ト。書体の選び方からレイアウトの方法など、科学者が利用しやすいデザインの基礎を抜粋し、 わかりやすく紹介している。ポスターやレジュメも実例つきで紹介しているので、初心者にもお勧め。
    http://tsutawarudesign.web.fc2.com/index.html

  • 八十島博明(1994)『Macで描く科学イラスト』日経サイエ ンス社
    日経サイエンスのデザイナーである著者が、研究者向けに書いたイラストデザインの解説本。
    デザインの基本を最初の数ページに凝縮して説明し、 後半からは実例をあげながら「数や量の表現」や「位置や配置の表現」など 項目ごとにどう表現するのかを解説している。本文を読むとデザイナーがどんなことを考えながら 図を作っているのかが見えてくる。
    日経サイエンス誌で実際に使用された、多様な分野の図が豊富に掲載されているので、 表現の参考書として良い。ただし、絶版で、中古のみ。

  • 原田泰(2010) 『デザイン仕事に必ず役立つ図解力アップドリル』株式会社ワークスコーポレーション
    デザインが専門の大学教員で、デザイン会社の経営もしている著者による、 「表現の手段」としての図表制作の方法を解説した本。
    この本では、図とは何であり、どんなものがどう図になるのか、 どう色や形を生み出していけば良いのか、 作り出す過程を教えてくれる。 ドリル形式になっており、ひとまずペンをもって手を動かしてみるというところから始まるので、初心者でも始めやすい。
    科学者に特化した内容ではないけれど、イラストのほかグラフや論理的なチャートの作り方も教えてくれるので、科学者でも十分使える。 初心者から、「普段図を作ってるけどまとまって勉強したことはない」という方まで使えると思う。

  • 木村博之(2012) 『インフォグラフィックス:情報をデザインする視点と表現』誠文堂新光社
    情報デザインの会社を経営し、大学で講師もつとめている著者による、 情報をデザインし、表現するプロセスを紹介した本。
    著者が過去に作成してきた多くの図を、ダイアグラム、チャート、表、グラフ、 地図、ピクトグラムに分類し、それぞれの図がどういう意図で どう表現されたのかを説明している。科学者向けではないけれど、科学的知識を説明するための図も数多く掲載されている。
    ボリューミーなので一気に読み通すのは大変。むしろ、自分が作りたい図をイメージする際の見本として、 興味のあるページから開いていくという読み方の方がいいかもしれない。
    デザインが好きで、力を高めたい方や、デザイナー・イラストレーターの卵にも役立つ本だと思う。
    なお、インフォグラフィックスとは、「複雑な内容やイメージしづらい物事の仕組みなどを、 把握・整理し、視覚的な表現で、他の人に情報を分かりやすく伝えるグラフィックデザイン」のこと。科学イラストにも有用な分野だと思う。

Microsoft PowerPoint 関連

  • 田中佐代子(2013)『PowerPointによる理系学生・研究 者のためのビジュアルデザイン入門』講談社
    この本はデザインの研究者である著者が、科学者のイラスト制作の現状を調査した上で作った、 科学者のためのビジュアルデザイン本。パワーポイントを利用して、 どうプレゼンやポスターをデザインしたらわかりやすくなるのかということが、 豊富な事例とともに説明されている。
    本書では、自分がデザイン上どんな失敗に陥っているか自己分析するところから始まり デザインの基礎的な考え方と、具体的にどう修正すればいいのかを配色やフォント、 レイアウトといったテーマごとに理解できるようなっている。 著者がデザイナーなので、例にあげられた図のセンスが良く、参考になる。
    主に生命科学系の学生や研究者向けで、レベルはパワポを普通に使っているけど、デザインの知識はあまりない人くらい。 特に、Adobe Illustratorを持っておらず、パワポで図やポスターなどを作っている方は必見。

  • 宮野公樹(2013)『研究発表のためのスライドデザイン:「わかり やすいスライド」作りのルール』講談社
    金属組織学の研究者である著者のスライド解説本(ブルーバックス)。著者はすでに下記の二つの本を 出版している。

    宮野公樹(2011)『学生・研究者のための伝わる! 学会ポスターのデザイン術』化学同人
    宮野公樹(2009)『学生・研究者のための 使える!PowerPointスライドデザイン 伝わるプレゼン1つの原理と3つの技術』化学同人

    といっても、この本は前作の 『学生・研究者のための使える!PowerPointスライドデザイン』のまとめではない。 デザイン上の技術を説明するだけでなく、伝える「考え方(姿勢)」も重視して解説している。 このため、プレゼンの論理展開やオリジナリティといった、 研究発表の内容の構成にまで言及されている。 もちろん、配色やイラスト、グラフなどのデザイン上の基礎的な技術の説明もある。 プレゼンを基礎から学びたい科学者や学生に適している。

  • 水島洋・山野辺裕二(2011)『医学図形データ1000+ PowerPointによる学会発表パーフェクトマニュアル』 エクスナレッジ
    著者は医療系研究者二名。 スライドプレゼンテーションの色使いやレイアウト、グラフ作成の技を解説している。
    解説部分は上述の二つの本に劣っているものの、この本の最大の売りはむしろ1000以上ある図形データである。 付属のCDに、パワーポイントとKeynote用の図形データが入っており、購入者が使えるようになっている。 図形データは医療関係者向けのもので、人体の図や細胞・たんぱく質(受容体やチャネルなど)、薬、医療器具などが含まれる。 図形そのものの完成度は、「時間がなかったのかな…」と思うところがあるものの、 図を作っている暇のないお医者さんなどには便利。
    (なお、画像は研究プレゼンにならば自由に使えますが、禁止事項もあるので、 使用許諾範囲を参考にしてください)

  • 谷口武利(編)(2007)『改訂第2版 PowerPointのや さしい使い方から学会発表まで:アニメーションや 動画も活かした効果的なプレゼンのコツ』羊土社
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Adobe Illustrator / Photoshop関連

  • 門川俊明, 秋月由紀 (2008) 『Illustratorのやさしい使い方から論文・ 学会発表まで―すぐに描けるイラスト作成のコツと研究者のためのポスター・論文Figureの作成法』羊土社
    医 学系研究者と医療系出版業務を行う二人の著者による、Illustratorの使い方紹介ガイド。細胞や実験器具・マウスなどの作成法を、実際の作業を事 細かに示しながら紹介しており、読者は本書を見ながら作図することで、Illustoratorの基本的な使い方を理解していく。イラストだけでなく、投 稿論文用のFigure(グラフなど)や一枚刷りポスターの作成・入稿方法まで解説してあり、初心者でも実践的に使えるよう配慮している。
    読者は医学・ライフサイエンスの学生・科学者を想定しており、レベルはillustratorをはじめて使う人~使いこなせている実感がない人くらい。

  • 吉田勝久(2007)『医学・バイオ系のためのFig.作成ガイ ド 論文・プレゼンに役立つ Photoshop/Illustrator活用法』オーム社
    生物化学系出身で、印刷会社でIllustratorやPhotoshopを使用していた経験をもつ著者による、Illustrator、 Photoshopの解説本。
    本書では、ソフトの使い方以前の、データ管理や画像データの種類、スキャナの使い方といった事項から説明をしている(この点は見過ごされがちだが、実は大 事だと思う)。Photoshopの章では画像の調整(色調の補正など)を、Illustratorの章では模式図の描き方を主に解説している。発表用の Fig.の体裁の整え方も解説しているが、ここは具体例が豊富だとさらにわかりよかったかもしれない。
    読者は医学・バイオ系を想定。全体的には他の研究者向けの本よりも少し難しいと思う。レベルとしては、私の印象では、ある程度二つのソフトを使ったことが あるけど、改めて使い方を勉強したい、という人に良いと思う。

  • 小島清嗣,岡本洋一(2005)『Photoshopの画像処理 マニュアル:きれいな画像の入力から解析, 論文・学会用データ作成のコツ』羊土社
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(最終アップデート 2019年5月25日)