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二次利用について


既存のイラストやアニメーションは、 その作品の著作権者に了解を得ることで、 別の用途で二次的に利用することができます。

良い作品を作るのには、大変な時間と労力が必要です。 最近は出版社の予算低下などの影響でイラストやデザインに対するコストが下がっていると聞きますが、 そんな中で間に合わせの使い捨て作品を作ることに、どれだけ意味があるのでしょう。

安価で手間がかけられていない、 オリジナリティのない作品を大量に創出するよりかは、 過去の良い作品を利用し、新しい作品の制作にコストや時間を回したほうが、 クライアントにとってもアーティストにとっても利益が大きいと筆者は考えています。ですから、もっと積極的に二次利用や作品の共有を進めてほしいと思いま す。

さて、作品を二次利用する場合、著作権者に使用料を支払う必要があります。 いくらになるのかは、著作権者が決めます。

では、二次利用はいくらくらいになるのでしょう。 日本での相場は、筆者がざっと調べた範囲では、 最初に制作した時の料金の20%~50%くらいが多いようです。 ただ、二次使用料が明示されていることが少ないため、実際のところはよくわかりません。アーティスト側も積極的に明示していくことが重要です。

現状、筆者が思いつく範囲で、二次利用のメリットとデメリットをあげてみます。

◆◆ メリット
1. クライアントからすれば、作品が早く安価に手に入る。
2. アーティストは、少ない労力で二次使用料を受け取ることができる。
3. どういう作品かわかった上で使用するので、作品の完成度などに関して、トラブルになりにくい。
4. 良い作品が使われる機会が増える。

◆◆ デメリット
1. 過去に作品を見たことある人からすると、新鮮味に欠ける。
2. 使用したい用途に最適なデザイン・仕様 (サイズ・解像度等)ではない可能性がある。
3. 最新の科学的成果が反映されていないかもしれない。
4. 二次使用だけでは、アーティストは食べていけない。

上記のようなメリット・デメリットを考慮したうえで、 上手に既存の作品を利用していくことをお奨めします。

なお、著作権者は通常、制作者か出版社がもっています。出版物に掲載された作品の場合は、 出版社に問い合わせるのが早いと思います。 二次利用専門のエージェントもありますので、そういうところを利用しても良いと思います。

アーティスト側もウェブページなどに二次使用が可能な作品を公開していることがあります。 アーティストさんにはクライアントが二次利用しやすいよう、
1. 二次使用が可能な作品を、ウェブなどに公表する
2. 二次使用料をできるだけ表記する(価格あるいは、制作料の何%かなど)
といったような工夫をされることをおすすめします。


(最終アップロード 2013年11月7日)